今日も一日お疲れさまでした。
本日は、前回のお話で取り上げました別表第1の2の13の在留資格について、一つずつ日本で行える活動・仕事についてお話をしていきます。
1.高度専門職
高度専門職には1号と2号があります。直接2号の在留資格を取ることはできません、1号で3年以上在留した外国人が取得することができる在留資格です。
まずは、1号から見ていきましょう。
入管法には次のように書かれています。
日本において行うことができる活動(仕事) | |
高度専門職1号 | 高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合するものが次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの。 |
1号は、イ~ハまで日本で行うことができる活動を定めています、入管法に次の通り書かれています。
日本において行うことができる活動(仕事) | |
高度専門職1号 イ | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動 |
高度専門職1号 ロ | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 |
高度専門職1号 ニ | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 |
難しことが書かれているように感じますよね!
しかし、イ・ロ・ハの太字・下線部分を踏まえて考えると、日本で行える活動・仕事は他の在留資格と同じになると考えて良いでしょう、下記の様になると思います。
同等と考えられる在留資格 | |
高度専門職1号 イ | =教授、研究、教育 |
高度専門職1号 ロ | =技術・人文知識・国際業務(国際業務は除く)、企業内転勤、教 授、芸術、報道、経営・管理、法律・会計、医療、研究、教育、 介護、興行 |
高度専門職1号 ニ | =経営・管理 |
つまり、高度専門職1号の在留資格を取得するには、「教授、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転筋、芸術、報道、経営・管理、法律・会計、医療、介護、興行」若しくは上の表にはありませんが「技能」の在留資格で在留することができなければならないのです。
しかし、上記の在留資格に該当すれば「高度専門職1号」の在留資格が取れるわけではありません。高度専門職の在留資格はそんなに簡単なものではありません。
「高度専門職」の在留資格は、上記在留資格に該当する他に、『ポイント制』によって評価・審査されるのです。
『ポイント制』を構成する要件は、「学歴、職歴、年齢、年収」などがあり、ポイント評価で70点以上が必要になります。
ポイントは下記の表の通りです、学歴、職歴、年齢、年収の他にボーナスポイントがあります。
①学歴
学歴 | 点数 | |
イ・ロ | 博士号(専門職かかる学位を除く)取得者 | 30 |
イ・ロ・ハ | 修士号(専門職に係る博士を含む)取得者 ハの場合は、博士号も含む | 20 |
イ・ロ・ハ | 複数の分野において、博士号、修士号、専門職学位を複数有している者 | 5 |
イ・ロ・ハ | 日本の高等許育機関において学位を取得 | 10 |
イ・ロ・ハ | 法務大臣が告示で定める大学を卒業した者 | 10 |
②職歴
職歴 | 点数 | |
ロ・ハ | これから行おうとする実務の経験年数が10年上 | ロ20点 ハ25点 |
イ・ロ・ハ | これから行おうとする実務の経験年数が7年以上 | イ・ロ15点 ハ20点 |
イ・ロ・ハ | これから行おうとする実務の経験年数が5年以上 | イ・ロ10点 ハ15点 |
イ・ロ・ハ | これから行おうとする実務の経験年数が3年以上 | イ・ロ5点 ハ10点 |
③年齢(ハは対象外)
年齢 | 点数 | |
イ・ロ | ~29歳 | 15点 |
イ・ロ | ~34歳 | 10点 |
イ・ロ | ~39歳 | 5点 |
④年収
●イ・ロの場合
年修 | ~29歳 | ~34歳 | ~39歳 | 40歳~ |
1000万円 | 40 | 40 | 40 | 40 |
900万円 | 35 | 35 | 35 | 35 |
800万円 | 30 | 30 | 30 | 30 |
700万円 | 25 | 25 | 25 | 0 |
600万円 | 20 | 20 | 20 | 0 |
500万円 | 15 | 15 | 0 | 0 |
400万円 | 10 | 0 | 0 | 0 |
●ハの場合
年収 | 点数 |
3000万円以上 | 50 |
2500万円以上 | 40 |
2000万円以上 | 30 |
1500万円以上 | 20 |
1000万円以上 | 10 |
※但し、ロ(高度専門・技術分野)とハ(高度経営・管理分野)は、年収300万円以上という要件があります、ポイント評価で70点以上を取ったとしても年収が300万円未満であれば高度専門職1号の在留資格は許可されません。
その他にボーナス①~⑬があり、ポイントを加算することができます。詳細は出入国在留管理庁のポイント計算表をご覧ください。
この様に、高度専門職1号は、「在留資格の要件」+「ポイント評価70点以上」両方の要件を満たすことで取得することができます。
高度専門職1号の在留資格は、「在留資格の要件」の他、「学歴、年齢、職歴、年収」などのポイントが必要で、高度な研究や技術開発をしている特別の人の在留資格に感じられるかもしれません、しかし実際には新卒の人でも取得が可能な場合があります。
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長くなってしまいましたね、本日は以上とさせていただきます。「高度専門職」一つで終わってしまいました、申し訳ございません。
次回も引続き別表第1の2の在留資格について見ていきます。ご覧の皆さん、次回も当事務所のホームページにお立寄りくださいね!